中央大学杉並高等学校

STUDENTS LIFE今日の中杉

夏のオンライン高校生文学模擬裁判交流大会 優勝🏆️

IBL同好会

 8月10日(日)に「第5回夏のオンライン高校生文学模擬裁判交流大会」が開催されました。

 中杉は「弁護」の立場として、3年生1名・1年生4名の計5名でこの大会に初出場しました。この大会に出場するにあたり3回の事前講義が行われ、2回目の講義では、実際に冤罪の被害に遭われた山田悦子さんのお話を聞くことができました。司法のあり方や、代用監獄制度(被疑者や被告人を拘置所の代わりに留置所に収容する制度)の課題、人権の問題など、学校では学ぶ機会のなかった内容を知ることができました。また、3回目の講義では主催の先生のおっしゃった「誰もが犯罪を犯す可能性を持ち、偶然の重なりによって犯罪に至ることがある」という言葉が印象に残りました。

 今回は芥川龍之介の「藪の中」をモティーフにした事案で、被告人が問われるのは「強盗罪」もしくは「強盗殺人罪」であり、被告人がある男性から物を奪った際に、小刀で刺して殺したのか否かという事件が取り扱われていました。文学模擬裁判は、昔(今回は平安時代でした)の事件を現在の法廷で裁くという特殊な模擬裁判なので、弁論や反対尋問、主質問などを作成する際に被告人や被害者の行動を考える際に現代の価値観や常識を押し付けないようにしたり、教材(事件について様々なな情報が書かれている冊子)で出てくる尺や寸、和歌などを本や古語辞典などで調べて理解したり、尋問・質問を考える際に、平安から来た証人と被告人に伝わるよう、外来語等の当時なかった言葉を使わないようにしたりするなど、色々な面で工夫しました。

 また、今回は被告人も自分達が演じなくてはならないため、教材を理解するのはもちろん、教材に書かれていること以外の設定なども考える必要があったため、たくさん検討を重ねました。弁論を練る過程では、自分の意見の欠点を指摘されて初めて誤りに気づくことが何度もあり、仲間と議論し合う大切さを実感しました。

 大会当日、ハプニングやちょっとした失敗もあったものの、臨機応変に対応し、仲間とフォローしあって全力を出すことができました。

 講評では、「この裁判で被告人のこれからの運命が来まるという思いで法廷に立つべきだ」というご指導をいただき、"模擬"とは言っても単なる"ごっこ"ではないこと、法廷に立つと自分の一言一言によって被告人の運命が左右されてしまうことを実感しました。

 結果発表では全員がドキドキしていましたが、優勝を告げられ、喜び合いました。(⬆️の写真は皆で主催の先生から賞状を受け取る「エア表彰式」です✨️)この優勝は出場したメンバーだけでなく、指導やアドバイスをくださった先生や先輩方など、たくさんの人のおかげで掴み取ることができたものであり、誰か一人でも欠けたら取れなかったと思います。

私はこの大会で改めて、協力したり意見をぶつけ合ったりする大切さを学び、模擬裁判の楽しさを改めて知ることができました。ここで学んだことをこれからの活動に活かしていきます。ありがとうございました!(1年 文学模擬裁判代表M)