中央大学杉並高等学校

TOPICSトピックス

法学論文ゼミ・橋本教授の講評会

1月28日、土曜講座「法学論文ゼミ」で執筆に挑戦した18名が、橋本基弘先生(憲法学)のもとを訪れ、 中央大学のFOREST GATEWAYにて講評会を開催していただきました。

この「法学論文ゼミ」は法学部に進学した卒業生達の「高校生のうちからもっと法学に親しむ機会があるとよい」という声から実現した講座です。今年で2年目になりますが、1~3年生までの意欲的な生徒が参加し、学年を超えて真剣に議論しました。

この講座では橋本先生からの出題に対し、憲法や判例を調べて合憲か違憲かを検討し、自分なりに導いた考察を文章化します。法学的な思考の巡らせ方や論文の書き方は、本校出身の法学部生や司法修習生、また全国高校法律討論大会実行委員会の弁護士の方々(中央大学ご出身)等にご指導いただきました。高校生と歳の近い方ばかりで、気さくに相談に乗っていただき、毎回終了時間を大幅にオーバーして先輩達と話し込む受講生の姿が見られました。

橋本先生からは、今回の論題の解説と共に、一人一人に具体的なご講評をいただきました。

初めて法学論文を書いて達成感も一入の生徒達でしたが、先生のご講義と激励のお言葉を聴き、益々勉学に励む意欲が湧いたようです。

橋本先生、アドバイザーとなってくださった皆様、ありがとうございました。

橋本先生からの出題

論文1 論文2 論文3

*受講生の感想*

◎今回、この企画に参加してみて、説明の難しさについてよく分かりました。自分の考えはあるがそれに基づく根拠探しが難しく、とても苦労しました。判例を拾って来たり、芦部本のどこを使えばいいか悩んだり、なんの権利を侵害されてると言えるのか考えたりと苦労する面が多かったです。しかし、うまく自分の意見が言えた時や、順番に丁寧に論じられた時はほんとに嬉しかったです。最初は校則が違憲なのかしか考えていなかったがこの事件を考えていくうちに、停学処分は適切なのか、損害賠償まで行くのか、xは校則を守らなかったわけだが、その件に対しては罰せられないのかなどどんどん論点が増えて行きました。ぐっちゃぐちゃになって文章化まで行けないんじゃないかと思いましたが、一度論点を全て書き出し、それに対する意見を書いてまとめて行ったらうまく整理することが出来ました。
 元々根拠とかを示して説得するのが好きなのでとても楽しく感じました。また、参加したいと思っています。今回は視点が至らなくて考えられなかった部分や、根拠が少なかった点がある課題を改善したいです!
 とても良い経験になりました!ありがとうございました!!!(1年・女子)

◎この学校に来る人はかなりの人が様々な理由のもと中大の法学部を目指していると僕は勝手に思っていて、その中でも法律に興味があるからという理由の人は少なくないと思っています。自分を含むそういった人達や、法学部に行きたいと思っている人達が、大学に入る前から法律の一端を法学論文で触れられる機会があって、将来に役立てられる機会があるということがとても贅沢で、附属校の特権でいいなと思いました。ありがとうございました。(1年・男子)

◎論文自体初めてだったので書き方やどういう内容なのかなどよくわからなかったのですが今回、書けてよかったです。法学論文を書くに当たって仲間と揉めながら方向性を決めて書いていくというのがすごく楽しかったです。やっていくうちに自分の表現力がまだまだだな、と感じまず、表現に必要な語彙を増やそうと思います。今回の企画で法学部に対する興味がより深まり、日々の勉強の活力になると思いました。大学に入学する頃には他の学部生をリードしていけるような存在になっていきたいです。

 橋本先生のお話がものすごく面白くて2時間があっという間に感じました。今回楽しかったので来年度もこの講座を取ろうと思います!(1年・男子)

◎論文を書くのは初めてで、最初は何を書けばいいのか、どう始めればいいのかすらも分かりませんでした。それでも弁護士の先生や先輩方の講義に参加し、チームのメンバーと話し合っていくうちに、方針が決まりました。最後は期限に追われながらも自分たちの考えを言葉で表し、納得行く物が作れたので良かったです。

 また、今まで法は固い、融通の効かないような理屈っぽいものだとばかり思っていました。しかし今回の講評会で、直感が大切だと聞き、硬派なイメージが変わり、自分でも出来るかもしれないと少し思えました。
 とても貴重な体験ができ、今後論文を書く際や、進路を決める際の指針になればいいなと思います。ありがとうございました。(1年・女子)

◎今回の企画に参加して本当にたくさんのことを学ぶことができ、とても良い経験になったと思いました。法律と聞くと堅いイメージがありましたが、自分の考えを丁寧に説明する「説得の学問」と聞き、すこし身近な学問に感じられるようになりました。
 自分の論文に関しては、論文としては未熟な部分が多かったが書いてて楽しかったというのが正直な感想です。私は自分の考えを文章にするのが好きなので今回、法学論文という形で文章を書くのは新鮮で良い経験になりました。論文を書いていく中で最初は何もわからなかったけれど論文の軸が定まったあとはパズルのように自分たちが伝えたいことがうまくハマっていく感じがして楽しかったです。あまり自分たちの論文の出来に自信はなかったのですが先生からわかりやすい文章とご好評をいただき嬉しかったです。(1年・女子)

◎シンプルに楽しかった。普段から考えることが好きで色々と調べたり物思いに耽ったりすることが多いが、ここまで詳しく論理的に調べて文におこすのは初めてだったのでとても有意義かつワクワクした。これからニュースを見た時などには、こうやって考察していきたい。(1年・女子)

◎まず、この企画に参加してとても良かったと思っています。
 自分は法学部に興味があり、法学部で何をやるのかを具体的に体感できる場として法学論文演習というのがあったので参加しました。問題文が配られたときには、何をやっていいいのかわからずとても困りましたが、授業で手厚く指導をしてもらい、考え方から論文の書き方まで広く深く教えてもらい大変助けになりました。この経験は将来絶対に使うと思うのでいい経験ができたと思っています。また、判例を探すことから論文を書くところまで楽しく行うことができました。途中悩むことはありましたが、ペアの子と一緒に考えて納得のできる論文を仕上げられたときはとても嬉しかったです。
 講評を聞いて、まだまだ考えだ浅かったなと思いました。一つ一つのポイントをじっくり見ていくと、自分たちが出した判断は微妙だなと聞いていて思いました。また、「Xの立場からももっと論じてみてください」という講評をいただき、その点においてもまだまだだと感じました。もう一回考え直そうと思います。
 最後に、この企画の中で、辛い時もありましたが総合的に見ればとても学びになり、楽しむことができました。この企画に参加できて良かったです。(1年・男子)

◎今回法学論文に参加してみて、自らの主張を他人から見ても納得できるような形で説明する上で自らの主張を客観的に見て判断することが大切だと感じた。そうすることによって主張する上で足りない場所を補ったりすることができ、辻褄のあった文章を作成することができたと思う。論文を書いたのは二度目だったが、前回は自分の好きな事柄について論文を書いたので、与えられたテーマに基づいて論文を書くのは刺激的でとても楽しかった。(2年・男子)

◎最初は問題で注目したいところがたくさんあってどうやってこれを説明したらいいんだろうと頭の中がごちゃごちゃしてしまって完成させられるのか不安でしたが、一つ一つ自分が気になっていることを調べて、自分の思ったことが正当だと言える理由が見つかったときはとても楽しいと思いました。
 判例を探すときに、全く一緒のものが無いことが、当たり前ですが類似の案件を見つけて自分のパターンに当てはまるように工夫するのが大変でした。
 今回の企画に参加したおかげで、法学部の入学前に課されるレポートを書く際、何を探せばいいのか自分なりに判断できたことが嬉しかったです。これからもこの企画で学んだことを活かしていきたいです。(3年・女子)